■住宅内の原因物質

住宅の空気中には、化学物質の発生源例のページの図のように多くの化学物質が存在しますが、厚生省(現厚生労働省)では、実態調査において室内空気中で高い汚染を示した化学物質などから、以下の8物質について指針値を示しています。この指針値は、現状において入手可能な科学的知見に基づき、人がその化学物質の示された濃度以下のばく露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろう、との判断により設定されています。(ただし、ホルムアルデヒドについては、短期間のばく露によって起こる毒性を指標として策定されています)

 

 

■厚生労働省の指針

◆化学物質濃度指針値/厚生労働省

平成14年2月7日現在   

1)ホルムアルデヒド
 (室温25℃の指針)
揮発性化学物質の中で健康への影響が一番重大視されているものです。
主に建材・内装材・家具などの接着剤に使用されています。
厚生労働省の指針 0.08ppm (100μg/m3)
成分 無色のメチルアルコールを酸化させた刺激臭の強い可燃性気体である。水、アルコール、エーテル等に溶け、水に溶けた37%溶液がホルマリン液で広い範囲に使用されている。
ホルマリンの特徴 接着力が群を抜いて良く、速乾性に優れ、何よりも価格が安いことである。
主な用途 合板・集成材・繊維板・家具等の接着剤、壁紙、建築用接着剤、壁紙の接着剤、防腐剤、消毒剤、殺虫剤、消臭剤、芳香剤、保護剤、繊維加工材等(タバコの煙にもホルムアルデヒドが含まれている)
厚生労働省指針値 ホルムアルデヒドの室内濃度指針値として30分平均値で0.1mg/m3以下。ホルムアルデヒド濃度0.1mg/m3と室内26℃の下で0.08ppmに相当する。
人体への影響 発ガン性・発ガン促進作用・アトピー・ぜんそく・アレルギー等
2)トルエン シンナーに含まれる有機溶剤の一つであります。
塗料や清掃用ワックスに多くふくまれる。
厚生労働省の指針 0.07ppm (260μg/m3)
3)キシレン シンナーに含まれる有機溶剤の一つであります。
接着剤や清掃用ワックスに多くふくまれる。
厚生労働省の指針 0.20ppm (870μg/m3)
4)エチルベンゼン スチレンの合成原料として使用されています。
厚生労働省の指針 0.88ppm (3800μg/m3)
5)スチレン 合成ゴム・ポリエステル(ポリスチレン)の原料
塗料の中に多くふくまれています。
厚生労働省の指針 0.05ppm (220μg/m3)
6)パラジクロロベンゼン トイレ用防臭剤・衣料用防虫剤
厚生労働省の指針 0.04ppm (240μg/m3)
7)クロルピリホス 防シロアリ剤、農薬
厚生労働省の指針 0.07ppb (1μg/m3)
   小児の場合0.007ppb (0.1μg/m3)
8)フタル酸ジ-n-ブチル プラスチック可塑剤
厚生労働省の指針 0.02ppm (220μg/m3)
9)テトラデカン 塗料等の溶剤
厚生労働省の指針 0.04ppm (330μg/m3)
10)フタル酸ジ-2-エチルヘキシル プラスチック可塑剤
厚生労働省の指針 7.6ppb (120μg/m3)
11)ダイアジノン 殺虫剤成分
厚生労働省の指針 0.02ppb (0.29μg/m3)
12アセトアルデヒド 接着剤、防腐剤  0.03ppm (48μg/m3)   
13)フェノブカルブ 防シロアリ剤  3.8ppb (33μg/m3

※化学物質濃度指針値

厚生労働省が設定している指針値は大型の物件「特定建築物」に適用される法律です。具体的に は映画舘・デパートなどの建物。 −般の住宅での適用はありません。このような状況に対し東京都千代田区では2004年11月1日より住宅を含め建物完成時に シック八ウスの原因といわれを化学物質の内5物質(ホルムアルデヒド、トル工ン、キシレン、 工チルベンゼン、スチレン)の測定結果を入居者・保健所に報告を義務付けました。今後このような自治体が増加する可能性があります。

※ppm、ppb、μg

ppm Parts Per Millionの略。 100万分の1を表わす単位。 例えば、1グラムの試料の中に 100万分の1グラム含有されていれば1ppm。

ppb Parts Per Billionの略。 10億分の1を表わす単位。

μg(マイクログラム) 1μg= 1,000.000gの1


住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用などにより、
新築・改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染などがおこり、
居住者の様々な体調不良が生じている状態をシックハウス症候群と呼ばれています。


■ホルムアルデヒドの濃度と症状の比較
濃度(ppm) 起こる症状
0.01 眼の刺激が始まる最低値。粘膜の中程度の刺激
0.03〜0.05 中程度の眼の刺激
0.05〜0.06 臭いが感じられる最低値
0.08 指針値 眼と鼻に刺激
0.25〜0.33 呼吸障害の始まり
0.50 咽喉の刺激が始まる最低値
2.00〜3.00 眼が刺すように痛くなる
10.00〜20.00 激しい流涙
30.00 生命に関わる危険、毒性肺水瞳

 

 

換気設備の区分 建築材料の等級と使用できる量
対象 設備の有無 換気回数 F☆☆☆☆
(5μg/m2h以下)
新しい等級
F☆☆☆
(5μg〜20μg/m2h以下)
Fc0,Eoクラス
F☆☆
(5μg/m2h以下)
Fc1,E1クラス
(120μg/m2h超)
Fc2,E2クラス
住宅の居室 あり 0.7回以上/h 制限なし 床面積の5倍以下 床面積の0.8倍以下 使用出来ない
0.5〜0.7回/h 床面積の2倍以下 床面積の0.3倍以下
なし

0.5回以上想定/h

床面積の5倍以下 床面積の0.3倍以下

 

その他、上記の法律に付随(追従)する主な自主あるいは通達規制

◆住宅性能表示
◆文部科学省での通達
◆各自治体「シックハウス対策ガイドライン」等

 

■減少工事の現状
現在のVOC減少工事では、住居全体を表面温度40℃で5時間温めて、同時に各熱送風分散装置、
熱攪拌装置・温度調整装置を各部屋に配置し、強制的にVOCを放出させる方法でしかない。
しかし、ホルムアルデヒドの除去率は50〜60%程度で0にすることは不可能である。
また、時間がたてば、ホルムアルデヒドの濃度は上がっていく。
費用も高価で、3LDKのマンションで40万円から50万円が相場である。
 
Copyright (C) 2001 KENYUSYA All Rights Reserved.